一秒に象が10頭飛び出す路のはなし
「1秒に象が10頭だね!」と娘が正解をみつけたキラキラした顔で言った。
「は?象???なんで象で計算する....」
「1秒に30トンでしょ。象は3トンくらいってこのあいだテレビで見たから、計算して、1秒に10頭!」
なんの話かといえばダムの放水量の話である。
5月のある日。週末はドライブにいい季節だし山のほう行く?だったら矢木沢ダムの点検放流イベントが有るから行きたい。なにそれ。みたいな家族会議からの流れである。
もともと自分がライトなダム好きだったが放水イベントは行ったことがなかった。家族での週末をダムイベントにとなると、プレゼンが求められる。
Youtubeで以前の放水動画を見つけ、ダムマニアさんのブログをみつけ、子供をその気にさせる。これ、面白そうでしょ。ここはダムの本体じゃなくて横の放水路ってとこね。そこに目いっぱいの水を流すイベントなの。迫力あって本物みるの面白いらしいよ~~。毎秒30トンの水量だって。ピンとこない顔だね。そーねー25メートルプールで…などと話していたら飛び出たのが「象が10頭!」である。
なんじゃそりゃと吹いたけど、なるほど。確かに質量をイメージしやすくはある。
自分が想像しやすい単位に換算する、ウチの子かしこいな~~と親ばかに感心する。受けて気を良くしたのか、単にプレゼンが効いたのか、週末のダムは決定した。
当日は姪っ子も一緒に行くことになった。水上までのドライブである。子供二人が後部座席に。道中、ダム行くの?と不審がる姪っ子に娘が説明する。「点検放流っていってね、ダムの横路みたいなとこからね、1秒に象10頭分の水が飛び出てね」 背中で効いていてブフォっと吹き出す。「象10頭分!え!すごい!」なんか姪っ子にも受けてる。
「1秒に象が3頭なら、スポポーン、スポポーン、くらい?」「象10頭はやばいよね。スポポポポポポポ!みたいな。休みないよ!」あんたらの想像力が素敵ですごいよと笑いながら水上へ。
水上の村営駐車場からはバスでダムへ。
現地での放水はこんな感じ(みなかみ町観光協会さんの動画です)
放流開始。まずは黒っぽい水が徐々に出てくる
「まだ、象1頭くらいだね、、、」
徐々に水量が増え、泥水の黒から白っぽくなってくる
「黒い象が灰色ぞうから白い象に、、、」
「いまで、1秒に象3頭くらいかな?」
やがてマックスの水量になり、すごい水量に周りから歓声があがる。子供たちも歓声をあげる
「すごい!すごいね!もう、最高!?いま象が10頭飛び出てるくらい!?」
ダムすごかった!放流すごかった!
だけど子供たちの会話がおかしくて初めての放水イベントを味わうよりも象トーク受けるwwwとゲラゲラする。
その後はダムの中なども見学したり、ダムカード風のフォトフレームで記念撮影をしたり、みなかみの美味しいものをもぐもぐして帰りました。
楽しい週末でした。
放水イベント、お薦めです。水量を象で換算するのもお薦めです。
おしまい。